アンティーク 腕時計





"Wrist Watch Daily" - advintage blog

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S.H.D. "CHRONO STOP" 1950'S
2014.08.29 Friday | category: Items

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クロノストップ


今回入荷したのは「クロノストップ」という珍しい簡易型クロノグラフ。ほとんど使用感がないためデッドストックとして保管されていたものと思われます。ケースエッジもポリッシュされていないハリのあるグッドコンディション。

分積算計非搭載という特徴に加えて、常に動き続けるセンターセコンドというユニークな機能がフィーチャーされますが、ゼロリセットからそのままリスタートされる「フライバック」機能が一番のポイント。2時位置のプッシャーは押し続けることでセンターセコンドを停止させることができますが、クロノグラフの連続計測が目的であれば、簡易型というよりも余計な機能を配した実用性重視の設計と言えるでしょう。

クロノストップ


ケース直径は35mm。見た目よりも実際はやや大きく見えるのは、文字盤上がゴールドの「ハチマキ」で内側と外周部とに隔てられ、内側にアラビア全数字インデックスが寄り集まる形で配されているからでしょうか。そのため不思議なサイズ感が独特の雰囲気を生んでいます。

クロノストップ


クロノストップ


今回はシックなグレーのTシャツスタイル。優美なゴールドケースとプッシャーを備えたクロノグラフのミリタリーテイストとのバランスが絶妙で、ラフなスタイルを上品にまとめてくれています。

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| advintage | 13:38 | - | - |


ROLEX / 9KYG "DENNISON" 1940'S
2014.08.18 Monday | category: Items

唐突ですが、下の写真を見てどう思われるでしょうか?



塗装職人のおじさんが休憩中に携帯をいじっています。
パリの街を歩いていてこの風景を見た時、私はすぐさまカメラを構えて撮影をしていました。それほど私にとって衝撃的な一枚でした。本当に個人的な印象なのですが、すごくお洒落に見えました。

ぱっと見は普通の、ダサい格好をしたおじさん。でも、テントの”CHANEL”のブランドロゴだけで、すごく特別なものに見えてしませんか?

ここは改装中のシャネルの店舗で、塗装のためにガラス窓が白いスクリーンで覆われ、道路も白いシートが敷かれています。シャネルのロゴが浮かぶテントも白。さらに奇遇なことに、おじさんの服も靴も上から下まですべて白。白と一部建物の黒が支配するモノトーンのベースに”CHANEL”のブランドが加わることで、普通のおじさんもお洒落に見える。ズボンに付いたペンキもモード。あくまで個人的な感想ですが(笑)。

時計で言うなら、普通のシンプルな時計でも"ROLEX"と入れば途端に光り輝く。そんな「ブランドの魔力」を感じさせた一枚です。

さて、前置きが長くなりましたが、ロレックスの腕時計が入荷しています。
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一見するとスタンダードな普通の腕時計。それでも、文字盤に控えめに入ったブランドロゴと王冠マーク。ただそれだけで、この腕時計は有無を言わせない存在感を放っています。イギリス市場向けにデザインされたモデルということもあり、やや独特の雰囲気があるのもまた面白い。

ロレックスは何がいいのかと考えた時、単に人気だからとか市場価値があるからとか、そういった目線で見るのは個人的に好きではありません。やはり腕時計という機械あるいは道具の本質を捉えて、究極まで追求する姿勢がずば抜けていることが、その絶対的な価値を支えています。その機能性を追求するコンセプトはデザインにも表れており、王道感のあるデザインもロレックスの大きな魅力です。





ワーク&ミリタリーというちょっと無骨なスタイリングにロレックス。多少ラフなスタイルであっても、ある程度この腕時計が品良く引き締めてくれるのは、金無垢ケースの柔らかな表情やオーセンティックな文字盤デザインだけではなく、このブランドが持つ「魔力」なのかもしれません。



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Brand History: File 1...SMITHS
2014.07.31 Thursday | category: Brand History

advintageでご紹介している腕時計の中には、それほど有名ではないブランドや、ローカルな市場で流通していた特殊なメーカーのものが多く含まれています。それらは確かな技術と品質はもちろんのこと、独特のデザインや個性的な表情など魅力に溢れた存在です。それらのメーカーやブランドの背景を知ることで、その魅力も深みが増すのではないかと思います。今回はスミスの歴史についてのご紹介です。




スミスは知る人ぞ知る英国の時計メーカー。英国好きの方にはおなじみかもしれませんが、一般的にはそれほど知られた存在ではないようです。1851年にサミュエル・スミスがロンドンで創業した宝飾品・時計販売店《サミュエル・スミス&サン》で、英国製およびスイス製の懐中時計やクロックなどを中心に取り揃えるほか、英国海軍御用達の時計メーカーとしてマリンクロノメーターの供給も行っていました。




同社は時計関連事業を成功させた後、1900年前後にちょうど勃興し始めていた自動車産業にも手を伸ばします。その時計製作技術を活かして自動車の計器の設計や製造を行い、イギリスで初めてオドメーター(走行距離計)の開発に携わったのも、サミュエル・スミスの息子、アラン・ゴードン・スミスでした。スミスによって開発されたスピードメーターは、当時の国王エドワード7世の愛車に搭載されるなど自動車関連事業でも信頼を高め、1914年にはS・スミス&サンズ・MA(モーター・アクセサリーズ)という会社を立ち上げます。




1931年には新たに子会社としてスミス・イングリッシュ・クロックス社(後のスミス・クロックス&ウォッチズ)を設立し、クリックルウッドの工場をメインに時計の国内製造事業を本格的に開始します。同時にイギリス国内の時計メーカーをいくつか買収しており、スミスの高級モデルとして知られる「アストラル」もそうした国内メーカーのひとつでした。

戦後すぐ(1945年頃)、スミスの腕時計を代表する傑作ムーブメントが開発されます。《キャリバー12.15》と呼ばれるこの高品質ムーブメントの名称は、「12リーニュ(約26mm)、15石」という仕様から命名されたもので、英国初の国産腕時計ムーブメントとなりました。このムーブメントはアップデートを加えられ、1951年からスミスの最高級モデル「デラックス」に搭載されます。主にチェルトナムの工場で量産され、1953年のエベレスト登頂の際にエドモンド・ヒラリーが着用していたことでさらにその知名度を上げました。


 


このムーブメントの開発に貢献した人物として、ロベール・レノア(Robert Lenoir)という技術者の名前が挙げられます。この人物は、スイスで時計製造技術を学んだ後、英国の自動車計器事業でスミスとシェアを二分していたジャガー社(Ed Jaeger London Ltd.)に勤務、その後スミスへと移った経緯があります。両社は自動車計器製造の分野で1927年以降協業するなど密接な関係を持っており、最終的にはジャガー社はスミス社によって吸収合併されました。

しばしばスミスのムーブメントはジャガー・ルクルトの技術提供によって完成したという誤解が散見されるようですが、両社の公的な関係性は否定されています。あくまでジャガー社は自動車計器製造メーカーであり、スイスのジャガー・ルクルトとは関連はあっても全くの別会社。現在は自動車部品関連企業マニエッティ・マレリ社の傘下にあります。ただ、レノア自身がジャガー社でテクニカルディレクターを務めていたこともあり、その影響からかスミスのムーブメントにはデザインや仕上げの部分にジャガー・ルクルトと似た点が見受けられますが、その詳細は明らかではありません。またレノアがジャガー・ルクルトとも関わっていたとも言われていますが、彼が働いたのは自動車計器部門であり、時計の分野ではなかったようです。

このハイグレードなムーブメントの開発により、従来からスイス製のムーブメントを積んだ腕時計を販売していたJ.W.ベンソンやアスプレイといった英国の宝飾品店なども、スミス製ムーブメントを搭載した純国産腕時計をリリースすることが多くなりました。それだけ英国製時計がイギリス市場に愛されていたことが窺い知れます。

しかしながら、この成功はそう長くは続きませんでした。戦後優れた英国製の腕時計を生み出したスミス社でしたが、主にアジアからの安価な部品の輸入が増えることで腕時計製造事業は業績が悪化。1968年から徐々に同事業から撤退することとなります。その短い運命も、スミスの腕時計の魅力に拍車をかけているのかもしれません。

| advintage | 11:17 | - | - |


About "Dennison Case"
2014.07.28 Monday | category: Style & Design

 

デニソンケースという腕時計のケースをご存知でしょうか。

デニソン・ウォッチケース・カンパニーというイギリスの会社が製造していた時計ケースを総じてこのように呼びますが、スミスをはじめとするイギリスの時計メーカーだけではなく、ロレックスやオメガといった世界的な高級ブランドもこのデニソンケースを採用していました。

この英国製の高品質ケースはイギリス市場にのみ供給され、海外に輸出されることがなかったため、クオリティの高さだけではなく希少性の面でも価値の高いケースとして人気のある特異な存在。

デニソン・ウォッチケース社の歴史は古く、1862年にアーロン・ラフキン・デニソンというアメリカ人によってバーミンガムに設立されました。このデニソンという人物は、時計の歴史の中でもかなり重要な役割を果たしており、とりわけその業績は1850年のウォルサム社の設立が有名です。その後デニソンはイギリスに渡り、今度はバーミンガムで懐中時計のケースを製造しウォルサムのロンドン支社へ供給する計画を1862年にスタートします。ちなみに英国でウォルサムの時計が比較的多く流通していたのも、そうした背景があったようです。

デニソンケースは、腕時計のジャンルでは基本的にラウンドシェイプとクッションシェイプしかありません。ただしその素材や構造はいくつかのバリエーションがあり、《デニスチール》と名付けられたステンレススチールを中心に、金無垢や銀無垢といった高級素材が使用されたものは特に高い人気を誇っています。イギリス市場でしか流通していなかったため、金無垢は9金、銀無垢は銀含有率925パーミルのスターリングシルバーである点が特徴です。

いくつかのバリエーションを見てみましょう。

スミスの初期型ムーブメントの傑作を搭載した1940年代のデニソンケース。スターリングシルバーが素材に用いられた銀無垢製のクッションスタイルです。”A.L.D”とは、”AARON LUFKIN DENNISON”というデニソン自身のイニシャルで、いわゆるメーカーズマークというホールマークの一種でもあります。

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こちらはオメガの1940年代の個体で、ベゼルと裏蓋が蝶番で連結された古典的なスタイルの金無垢ケース。英国市場では9金という実用性重視の純度が好まれていたようです。

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同じくオメガの1950年代製のラウンドシェイプのデニソンケース。「デニスチール」の表記が見られます。

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こちらも金無垢ですが、デニソン社のブランドロゴがないバージョン。"A.L.D.”とあるため、デニソン社のものと分かります。スミス製のムーブメントを積んだJ.W.ベンソンによる腕時計。

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あのロレックスもデニソンケースを使用していました。ラウンドシェイプの金無垢ケース。

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こちらは「アクアタイト・ケース」と呼ばれるデニソン社のスクリューバック式防水ケース。”DQ”=“DENNISON QUALITY”の刻印が特徴で、ジョン・ハント率いる英国のエベレスト遠征隊による1953年5月29日の世界最高峰初登頂の際、かのエドモンド・ヒラリー卿がエベレストの頂上で着用していた腕時計は、まさにアクアタイト・ケースのスミス社の高級モデル「デラックス」でした。

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イギリス製の腕時計はその独特のデザインや雰囲気が魅力的ですが、ケースも”MADE IN ENGLAND"にこだわっていました。デニソンケース以外にも英国製のウォッチケースメーカーはいくつかあり、イギリス市場で流通していた腕時計に散見されます。「時計と言えばスイス製」と多くの人が言う中で、ケースを含めて頑固に英国製を貫くその姿勢は、かつて19世紀に比類ない技術力を誇った英国の時計製造技術の矜持を感じます。

今回はちょっと蘊蓄メインのボリューミーな内容となりましたが、これも楽しむべき時計の魅力のひとつだと思います。

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Cushion Shaped Watch.
2014.07.12 Saturday | category: Information

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今回は、腕時計のケースデザインの中では最も古典的とされるクッションシェイプについて。個人的に一番好きなケースです。

アール・デコのデザイン潮流は、文字盤だけでなくケースの形状にも大きな影響を及ぼしました。懐中時計から腕時計へとスタイルが移行して行った時期とちょうど重なって、従来懐中時計が懐から取り出すのに最も適した円形の形状から、腕時計は自由なケースデザインが可能となりました。その中で生まれたのが、レクタングルシェイプに代表される多角形ケースや、オーバルケース、そしてクッションケースなどでした。

クッション(座布団)型のケースは主に1930年代から1940年代の時期に多く存在し、当時最も格式の高いスタイルとされていたようです。とりわけ英国市場で人気を博しており、ケースの素材も金無垢や銀無垢といった高級素材が使用されたり、贈答品として刻印が入ったものも多く見られます。

基本的に30mm前後と小振りなサイズで、シャツの袖を邪魔しない控えめなデザインが特徴。昨今ではあらゆる腕時計がデカい・厚い一方、これらの腕時計はとても品が良く、ドレスにもカジュアルにもきちんと合わせてくれます。クラシックな印象の強いジャンルですが、最近ではその優美さが再評価されつつある旬の腕時計。アンティークならではの味わいも加わり、スタイリングにもお洒落感を演出できそうです。

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